top of page
marble-white.jpeg

NARRATIVES
BY INTERMEDIATORS

開催レポート:「インターミディエイター・フォーラム2024」

  • 執筆者の写真: インターミディエイター事務局
    インターミディエイター事務局
  • 2月10日
  • 読了時間: 7分

更新日:3月7日

第8回となる「インターミディエイター・フォーラム2025」が、2024年11月10日(日)に九段会館テラス(東京千代田区)で開催されました。


有資格のインターミディエイターをはじめ、インターミディエイターの活動に関心を寄せる方々が、日本全国から会場とオンラインに集いました。企業、NPO、社会福祉法人、個人、学生など、約50名の多様な人々が参加。今回は、2024年に実施した「ユース・アンバサダー・プログラム」に参加した大学院生、大学生、高専生が加わり、共に学び、対話する時間となりました。


フォーラム当日の様子を写真でお届けします。


インターミディエイター・フォーラムを開催した九段会館テラス
会場は皇居からほど近く、日本武道館の目の前に位置する九段会館テラス。東京の中心地に、全国から参加者が集まりました

VisionTalk:

「対話から対話へ」─ 中律論 と 対話論 ─


まずは、設樂剛先生による講義、『VisionTalk「対話から対話へ ─中律論と対話論─」』でプログラムがスタートしました。

インターミディエイター・フォーラム VisionTalk、基調講演

「中立ではなく《中律》とはなにか?」それは、変化するコンテクストの中で新たな均衡をつくること。また、《対話》とは、問答であり、信念の交換行為であり、変化の経験であること。



インターミディエイター・フォーラムで真剣にメモを取る参加者の青年

参加者は真剣そのもの。設樂先生の言葉を聞き漏らすまいと、会場は集中力で満ち満ちています。



インターミディエイター・フォーラム 設樂剛先生

複雑で多様な時代のなかで、「中律」と「対話」という姿勢がインターミディエイターとして大切な知的態度であることを、丁寧な言葉で参加者へ手渡しました。



CrossTalk with Intermediators:クロストーク

「なぜ、インターミディエイターが重要なのか」

インターミディエイター・フォーラムで提示されたスライド

続いて、有資格インターミディエイターの3名より、インターミディエイター活動の事例発表を行いました。



美しい島々へ

 沖縄を拠点とした集会と地域とひとづくり

インターミディエイター・フォーラムで登壇する平田直大さん
平田直大さん(インターミディエイター®、一般社団法人しまのわ代表、一般社団法人プロモーションうるま理事)

2014年に神奈川から沖縄に移住し、活動を続ける平田直大さん。移住3年目で開催した地域づくりプロジェクトのケースを共有しました。村民会議で起きた、ある緊迫した一幕をきっかけに、ひとりの孤立した住民と丁寧に対話を重ねました。その結果、仲間が出現し、村長に提言ができました。のみならず、そのプロジェクトに予算をつけるところまで到達。対話とエンパワリングが功を奏した、平田さんご自身の転機ともなったケースでした。


◆関連情報:




美しい経営へ

 50周年をめざす革新的ロングライフ・カンパニイ

インターミディエイター・フォーラムで登壇する星野晃一郎さん
星野晃一郎さん(インターミディエイター®、株式会社ダンクソフト 代表取締役)

続いて、星野晃一郎さんからは、40周年を迎え、50周年に向けてジャンプ・スタートしているダンクソフトにおける、会社としての取り組みについて共有いただきました。「リーダー不要論」の実践を続けることで、以前よりも働きやすく、フラットな就業環境整備をどう進められてきたのか。新卒採用に関するクリエイティブで意外な方法など、普段はなかなか聞くことのできない同社のケースについて発表しました。


◆関連情報:



美しい社会へ

 排除の原理から漸進的包摂へ:Prison Artsを通した越境的対話

インターミディエイター・フォーラムで登壇する鈴木悠平さん
鈴木悠平さん(インターミディエイター®、作家、株式会社閒 代表取締役)

株式会社閒 代表取締役 鈴木悠平さんからは、共同代表として関わる Prison Arts Connections(PAC)のケースを共有いただきました。今年3年目となる「刑務所アート展」の取り組みについて、背景・課題・展望をお話いただきました。アートを通して、受刑者と社会をつなぐ多様な対話を、どうもたらしてきたのか。参加者も静かに耳を傾けます。


◆関連情報:



インターミディエイター・フォーラムでのクロストーク

3名からの事例発表を受けて、会場からたくさんの質問や感想があがります。「私も同じような経験があった」「二項対立をどうクリアしたのか」「対話を続けるにはどうしたらよいのか」、などなど。一つひとつの問いに、3名の登壇者から、さらに具体的な例示や、インターミディエイターとしての在り方について真摯に返答します。分野は異なれど、3つのケースはともに共通するところが多く、参加者からの問いを展開してさらに対話。インターミディエイターの理解を深めていきました。



Group Study​

​ 「 あいだの時代 」への準提言

  theme:“若い人たち”をどう生かすか 


休憩をはさんで、最後のプログラムは「Group Study」です。設樂先生からのショートレクチャーの後、これまでのたくさんのインプットを踏まえて、グループごとに”若い人たち”*をどう生かしていったら良いのか、準提言(提言内容)を考えます。


*”若い人たち”とは、いくつになっても学び続けることができて、次を創ろうとする人たちのこと。

 

グループワークが始まると、ここそこで、一気に対話が始まります。


インターミディエイター・フォーラムでダイアログする中川桐子さん

インターミディエイター・フォーラムで熱心に話をする方の手元

インターミディエイター・フォーラムでダイアログする大学院生

真剣にやさしくダイアログする西村武博さん

グループは、職業・年齢・地域など、興味・関心の多様性を考えてあらかじめ組まれています。3人ずつの各グループには、有資格インターミディエイターたちが参加。適宜、対話を促しながら、それぞれのグループで準提言をまとめていきます。


どうしたら”若い人たち”と出会い、可能性を生かしていけばよいのか。ふだん各自が感じている問題意識や課題も持ち出しながら、和やかでありながらも真剣に言葉を交わしていきます。今回の準提言は、ワークのためだけではなく、明日からの活動に繋がっていくヒントになることでしょう。


真剣に対話を重ねているとあっという間に発表の時間です。各グループで検討された提言内容を全体にシェアし、参加者間での共有知にしていきます。



インターミディエイター・フォーラムでの発表
有資格インターミディエイターの伊藤優さんが見守るなか、グループを代表して、今回の最年少参加者となるった神山まるごと高専の名和さんが発表。


インターミディエイター・フォーラムでのグループ発表
有資格インターミディエイターである、ぼくみん代表の今津新之助さんは、チームメンバーとともに発表。労働者協同組合やさしいまちづくり総合研究所の前神有里さん、京都で舞台芸術を学ぶ大学生 北川さんと共に。

最後のグループまで発表が終わると、設樂先生からのファイナル・メッセージです。今回のキーワードである《中律》について総括し、これからの未来社会におけるインターミディエイターという役割の重要性を、改めてお話ししました。


インターミディエイター・フォーラムでの全体対話


本編終了後の「Symposion(シンポジオン:対話と懇親の場)」では、グループを超えて、参加者同士で思う存分にトークします。


Symposionのオープニングには、有資格インターミディエイターである、岐阜県いぶき福祉会専務理事の北川雄史さんから。ご自身がこの考え方を学び始めたころの印象を共有し、はじめて参加されて、知を浴びて圧倒された皆さんに温かい言葉をかけました。また、これまでの学びがどう社会福祉法人の運営と未来づくりに生かされてきたかを共有。今日ともに学びを得た皆さんがつくる未来での協働が楽しみになるようなお話でした。

インターミディエイター・フォーラムでの乾杯のご挨拶

1日の緊張をほぐしながら、学んだ言葉をさっそく使ってみながら会話を楽しんだり、今日の振り返りを共有したり、お互いの活動を紹介しあったり。ここそこで談笑が行われます。


1年に1度、フォーラムで顔をあわせて集える場があることが、参加者の皆さんにとって1年をつくるリズムになるようです。気づけば、すっかり日も暮れて、目の前の日本武道館はライトアップされていました。


インターミディエイター・フォーラム2024の集合写真




※2024年には、「インターミディエイター・ユース・アンバサダープログラム」を初めて実施。プログラムに参加した4名の学生が今回フォーラムに参加しました。準備に関わったり、グループでの対話に積極的に参加したり。多様な参加者のなかで、学校では得られない学びの機会を得た1日だったことでしょう。インターミディエイター・フォーラムが、アンバサダー・プログラムの集大成の時間となりました。





 

◆「インターミディエイター・フォーラム2024」概要


2024年11月10日(土)13:00 - 18:00

​九段会館テラス + リモート


​13:30 - 14:10 VisionTalk​


 対話から対話へ

   設樂 剛 ( フィロソファー, Intermediator Forum Initiator )


14:20 - 15:55 

Crosstalk with Intermediators​

 なぜ、インターミディエイターが重要なのか — 3つの領域との対話 —


 美しい経営へ

 50周年をめざす革新的ロングライフ・カンパニイ

  星野 晃一郎

  (株式会社ダンクソフト代表取締役)


 美しい社会へ

 排除の原理から漸進的包摂へ:Prison Artsを通した越境的対話

  鈴木 悠平(作家、株式会社閒 代表取締役)


 美しい島々へ

 沖縄を拠点とした集会と地域とひとづくり

  平田 直大(一般社団法人しまのわ代表)


(「美しい」とは、活動の隅々に対話が息づいていること )


Crosstalk : 登壇者および全体対話 —会場・リモートを交えて—

16:10 - 16:55 Group Study​

​ 「 あいだの時代 」への準提言

  theme “若い人たち”をどう生かすか

  group dialogue ここまでの要点を踏まえて検討・作成

  quasi-proposal グループごとの発表

  polyphony まとめ(多声的に)


​(*“若い人たち”とは、いくつになっても学び続けることができて、次を創ろうとする人たちのこと)​


17:00 - 18:00 Symposion( 対話と懇親の場 )



 

写真・文:後藤由加里

編集:松原朋子










コメント


bottom of page