毎月13日は、「インターミディエイターの日」。(イ(1)ンターミ(3)ディエイターにちなんで)。毎月1回、有資格のインターミディエイター限定で、オンライン・コミュニティを開催しています。今回は、2023年3月のサマリーをシェアします。
「インターミディエイター」にご関心のある皆様は、ぜひご参照ください。
▶ Intermediator Day 2023/03
Date: 2023/3/13 20:00-21:30
▶ Agenda of the month 今月のアジェンダ
「多様性が許容される社会とは?」
インターミディエイターのマインドセット(頭と心の働かせ方)のひとつに、「多様性・複雑性の許容と対話能力」がある。今回は特に、“多様性が許容される社会”をめぐって、それぞれの活動で見られる特徴、感じることなどを対話した。
・関わったプロジェクトで対立構造になったことがある。違う意見の人も、そういう生き方もあるし、価値観は理解できるものだった。むしろ、対立した時が“対話”の始まりとして、会としてどうしていこうかという話ができた。インターミディエイターの学びがあってよかったと思う瞬間だった。
・地域と関わるには、地域の中で生きるには、「多様性」は難しい問題をはらむと思っている。移住の場合、外からやってくる多様性によって地域が荒らされることも、残念ながらあるとすれば、受け入れる側は多様性を拒むことも理解できる。
・地域にもともと住んでいる人(地縁・血縁など)の、中の多様性は許容されても、外からやってくる移住者の多様性は許容されづらいことも事実。
・障害者と健常者という2分法を超えて、そうではない観方をしていかないといけない。そのためには、職場の中にも、もっと多様性を持ち合わせていきたいものだ。
・徳島県神山町の場合。外からくる多様性をうまく活用してきた場所。空き家は空き家のままでもいいが、街に必要な人に来てほしいと、街が人を選んでいた。それは、誰でもいいということではない移住推進だった。
・関わっている「自然」という分野で、「多様性」といえば、「生物多様性」。この場合、種としての多様性、生態の多様性、そして遺伝子の多様性の3つで考える。自然界から見ると、その3つが混然とぐちゃぐちゃのなかでも整然と地球の中にある状態。これが生物多様性。いろんな人の中でも、たとえば男性の中でも女性っぽい人がいたり、子供っぽい方がいたり、一人一人のなかにもいろんな多面的な、多様な部分があっていいのだろうという感覚。
・おととい滝野川学園での活動日だった。重度の障害のあるお子さんたちが車いすで来ていて、ケアする大人たちや直接関係のない人たちも入り混じって、楽しくお昼ご飯を食べている図式。それは、お互いにただ受け止めているだけ。お互いを否定していない。そこが大事かな。コミュニティ・ガーデンの話をするときに、幸せになる条件として、人との良い関係があることが大事という研究結果があるという話をする。最近、インターミディエイターのマインドセットは人を幸せにするものだと気づき始めた。
・私自身は多様性に無頓着、主観的になってしまう。インターミディエイターが登場する背景として、社会を「関係の網の目」としてとらえることを学ぶ。こちらはつながっていなくても隣同士にいるような人もいる。どうしても嫌いとか、苦手だとか言う人も近くにいる。わざわざ向き合ったりはしない。でもそこにいるのは知っている。そんな状態であっても、それでも多様な社会で生きているといえる。
・考え方って、少し変えるのにも時間がかかる。そうだね、というまでに時間がかかる。街づくりも、だから焦らない。話をきいてくれたらよい、という程度からはじまって、価値観を共有していく。
・インターミディエイター講座では、「多様性とは、差異の集合」だと習う。そして、多様性はそこにあるものではなく、こちら側の見る眼が問われるものだという。多様なものを多様にとらえる眼を持っていなければ、多様性には気がつくことはできない。
などなど
▶ Update from Intermediators インターミディエイター的近況
・今年初参加。毎年、サーティファイド・インターミディエイターとしての更新書類をつくりますが、今年は2つの視点から描いたレポートを提出しました。(中)
・わたしも今年初参加。今年は畑で大豆を育てるところから味噌づくりを行った。神田藍のプロジェクトは驚くような動きになっている。大手町で大企業のかたたちと、街の中にいつのまにか藍がある状態にできないかと対話。社会福祉法人や大学教員にも興味を持ってもらえ、今までとは違った方たちと活動する機会ができそうな流れ。(峯)
・更新書類をまとめられたことはよかった。この1年多忙に過ごしてきたが、できていたこと・できていなかったことが確認できた。たとえ忙しくても地域の方たちと丁寧にコミュニケーションをとっていく必要性を痛感したこの頃。(平)
・子供が大学に合格、インターミディエイター的にいえば親子の協働の成果なのかな(笑)。年度末、行政との関係で書類のやりとりが多く発生する時期。チームで自律・分散・協働型で進めていきたい(和)
・インターミディエイターの学びを実践する機会になるプロジェクトがひとつ始まった。色々な仕事の忙しさを抱えている人たちと共に、気持ちよくCo-learningできる場をつくっていきたい(上)
・市長の鶴の一声で動き始めた環境パーク。なにもされていなかった公園だということを知る。市民が有効に使えるのかの分かれ目の時期に来ている。市民の協働力を活かして、市民でつくる公園になっていくといいな(木)
・インターミディエイター・ダイアログを「Polyphony」という名前でこの春3回実施。動画・記事を事後に公開予定(松)
Polyphony08 「人・もの・自然がつくり合う「生きたビジネス」に向かって」
Polyphony06 「街で暮らす一人ひとりの願いをかたちに変える、しなやかなコミュニティ」
▶ Closing クロージング
いぶき福祉会 協働責任者/事務長 和田善行さんより
最終的には、多様性を認め受けとめていくとか、あるいは、否定されない、否定しないという状態なのかと感じた。いろいろな話が、自分の中でつながっているように思う。このようなテーマで話ができること自体、この場に「多様性がある」ということ。
Intermediator Day インサイト・レポート
バックナンバー:
●2024/01:良質な「場」をつくるには?
●2023/09:「対話」とは何か?
●2023/08:「エンパワリング」な場をつくる人々
●2023/03:「多様性が許容される社会」って? (現在の記事)
●2023/02:社内の「分断」どう対応しますか?
●2023/01:"上下"ではない「対話の文化」を社内につくるには?
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