【私たちが再び自由にうたい合うために - Polyphony #9】 ─Dialogue with Intermediators─
まだ「言語」を持たなかったはるか昔から、私たち人間は、多様な方法で世界とかかわり合い、「表現」をしてきました。土くれを固めて人形や飾りをつくったり、収穫を祝って歌い踊ったり…はじまりはきっと、身の回りの物と自分の肉体をつかったシンプルな表現だったのでしょう。
そこから少しずつ、自分が感じたことを他者により善く伝えたり、より多くの人たちと体験を共にしたりするための様々な方法が編み出されました。詩人や音楽家、画家や園芸家といった、卓越した表現方法を持つ芸術家たち、彼らが表現するための道具をつくる職人たち、表現行為を多くの人が享受し続けられるような興行の仕組みをつくる事業家たち、みんなの場(公共)を管理・運営するための共通のルールをつくる立法者や行政官たち…時代が進むなかでたくさんの役割や職業が生まれ、「表現」にかかわる技術や方法も高度化・複雑化していきました。
いずれの取り組みも、もともとはより多くの人が、豊かな時間・空間を共有するための知恵と工夫であったはずです。しかし社会や経済の規模が大きくなっていくなかで、ときにそれらが、自由で多様な「表現」の足かせになってしまうこともあります。
たとえば、公園に「○○するべからず」のルールが増えていく。芸術鑑賞に身につけるべきとされる「お作法」が増えていく。表現したい思い、参加したい場があっても、「私は経験や技術がないから…」「プロに任せた方が…」という遠慮や気後れを抱いてしまう。
表現することも、場に参加して他者と関わることも、もともとは自由で開かれた行為であったはずです。個々人の置かれた環境や持っているリソースの違いが、気後れや隔絶を招くのではなく、多様な表現や参加の契機となるような場づくりは、どうしたら実現できるのでしょうか?また、それらを一過性ではなく持続可能な場として運営するためには、どのような方法があるのでしょうか?
「あいだ」の知の担い手として、さまざまな領域で実践を続ける「インターミディエイター」たちと共に、これからの協働社会を描くダイアログ第9回。今回は、多様な表現と参加を可能にする場づくりをテーマに、地域の公園や福祉施設、企業で過ごす人たちが協働して運営する「コミュニティ・ガーデン」を全国に広げる木村智子さん、作曲家・編集者として、音とことばによる「あいだ」や「場」の編集に携わる上杉公志さんをスピーカーにお招きします。ナビゲイターは鈴木悠平さんです。
スピーカー3名のみならず、Zoomにお越しくださる皆さんとも共に、「多声的」な対話の場=”Polyphony(ポリフォニー)”を開きたいと思います。ぜひあなたのお声をお聞かせください。
■概要 ・日時: 2023/4/6 (木) 20:00-21:30 ・参加費: 無料 ・お申込み: ご参加希望の方は以下のフォームにお名前、ご連絡先、イベントへのご関心などをご入力の上、送信ください。 ★申し込みフォーム https://forms.office.com/r/ZHHVFmXc4K
・参加方法: 上記の申込フォームに記入してから、以下のZoomURLにお入りください
Zoomミーティングに参加する https://us02web.zoom.us/j/89189544004...
ミーティングID: 891 8954 4004 パスコード: 853043
■タイムテーブル 19:50-20:00 Zoom入室 20:00-20:05 オープニング 20:05-20:35 スピーカー3名の自己紹介・活動紹介 20:35-21:05 スピーカー3名でのダイアログ 21:05-21:20 質疑応答・参加者全員でのダイアログ 21:20-21:30 クロージング・お知らせ
■スピーカー ★木村智子さん 有限会社スマイルプラス取締役 ランドスケープアーキテクト&コミュニティガーデンコーディネーター。まちや公園、各種施設等でコミュニティづくりのための道筋を描き、人・まち・自然を紡いで「関わる人が自ら楽しみながらコミュニティを育む場」の実現をサポート。造園コンサルティング会社で公園緑地やURの外構計画設計に携わり独立。2002年よりシンガポール在。Singapore specialist tourist guide(自然分野)を取得。熱帯雨林や生物多様性等のガイドを務める。帰国後、2010年(有)フラワーセンター若草代表取締役 就任。2013年には浜松市にコミュニティカフェ「C-cafe」をオープン、2017年にはコミュニティデザインオフィス「スマイルプラス」設立。2021 年、有限会社スマイルプラスに社名変更、取締役に就任。https://www.intermediator.jp/tomoko-kimura
★上杉 公志さん 作曲家・編集者 幼少期に映画やゲーム音楽に感銘を受け作曲をはじめる。音楽大学在学中、音楽が扱われる「場」や「メディア」に関心をもつ。 業界団体や音楽企業にて、コンサート・講座の企画運営や留学カウンセリング業に従事したのち、音楽とかかわりの深い「ことば」の重要性を感じ、2019年に独立。 現在は作編曲のほか、(株)編集工学研究所のウェブメディア「遊刊エディスト」の編集・執筆や対話を通じたライターたちとの関係づくりなど、音とことばによる「あいだ」や「場」の編集に携わっている。https://www.intermediator.jp/koshi-uesugi
★鈴木悠平さん 文筆家 株式会社閒 代表取締役 ひと・もの・ことの閒-あわい-に横たわるなにかを見つめて、掬って、かたちにしたり、しなかったり、誰かに贈ったり、分かち合ったりしています。 https://www.intermediator.jp/yuhei-suzuki
当日お目にかかれますことを楽しみにしております。
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